日本が生んだ天才たちの日課に学ぶ!習慣が作り出すリズムで創造性を高める



カテゴリー : Dream <LifeStyle>
習慣

天才と呼ばれる人たちの偉業や名言は数多く残されており、“夢追人”たちの指針として今なお揺らぎない道を示してくれている。しかし、それらが真の道しるべになり得るのかは疑問である。なぜなら彼らは“天才”なのであり、その天才が指し示した方向へは、天才しか辿り着けないのである。それならば全ての“夢追人”は何を指針とすればいいのか。

“夢追人”たちの指南の書『天才たちの日課』

『天才たちの日課 クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々』(メイソン・カリー著、金原瑞人・石田文子訳、フィルムアート社)という本が最近、話題となった。その名の通り、クリエイティブな偉業を成し遂げた天才たちの「日常のごく平凡な事柄」にスポットを当て、彼らが最高の仕事をするために、毎日行っている日課を調査し、まとめあげた書籍である。驚くのは登場する天才たちが、モーツァルト、ベートーヴェン、マルクス、スティーヴン、ゴッホなど161人にもおよぶということ。小説家、詩人、芸術家、哲学者、研究者、作曲家、映画監督など、彼らがクリエイティブを保つために日常に何を行っていたのかを、こと細かに調べあげた“夢追人”の新しい指南の書と呼べる作品となっている。

 
 

では、少し紹介しておこう。

ヘミングウェイ(小説家・詩人)は「自分をごまかさないため」に、毎日書いた語数を記録していた。
フロイト(精神分析学者)の散歩はものすごいスピードだった。
バルザック(小説家)は午前1時に起床しすぐに仕事をした。
ストラヴィンスキー(作曲家)は作曲に行き詰まると倒立をした。
ピカソ(画家)はアトリエでたくさんのペットを飼っていた。
トーマス・ウルフ(小説家)は、ホテルの部屋の窓の前に裸で立つことで、創造的エネルギーをかきたてた。
デイヴィッド・リンチ(映画監督)は、瞑想を欠かさない。
村上春樹(小説家)は、午後はランニングか水泳。

など、日課や生活信条が盛りだくさんだ。中でも面白いのは、「散歩派」と「全裸派」が多いこと。「散歩が創造力を高める」という記事で、散歩がクリエイティブを生むことに直結する理由を解説している。「全裸」というのはやはり、裸になる開放感によりストレスから解き放たれて、創造性を高めるということなのだろう。
 
というように、非常に面白い内容なのだが、筆者は「表面的で軽い内容の本だ」と記している。すなわち創造性を生む成果について触れた本ではなく、ユニークな視点で描かれた作品であり、読みやすい娯楽本のようなものだと言っているのだ。しかし、“夢追人”たちが本当に知るべきことは、天才たちの日常の習慣や生活信条といったことなのではないかと思う。天才の偉業は真似できないが、日課ならば参考にすることができる。そして彼らがその日常の習慣から、何を得て、何を生み出したかを学ぶことができるのだ。エピソードの至る所にあるヒントからは、インスピレーションを得ることができるだろう。そして好奇心と向上心がくすぐられ、新たな発見をする手がかりとなるのだ。そういうヒントこそが夢を叶える近道となるのである。

『日本が生んだ天才たちの日課』当サイト調べ

同書において、唯一の日本人として登場する村上春樹氏は、ストイックな日課をこなし続けている。長編小説を執筆しているときの彼は、朝4時に起き5~6時間ぶっとおしで仕事をやり続けるのだ。そして、午後はランニングか水泳をして、本を読んで音楽を聴き、21時に就寝というスタイルである。彼は同書で「繰り返すこと自体が重要になってくるんです。一種の催眠状態というか、自分に催眠術をかけて、より深い精神状態にもっていく」と語っている。
 
とても興味深い『天才たちの日課』。欲を言えばもっと日本の天才にも言及してほしかったということ。そこで当サイトでは、「日本が生んだ天才たち」の日課を独自にまとめた。参考にしてほしい。

イチロー

●物を持つとき決して脇をゆるめない
●イスに座るときは股関節を締めるため、常に内股にしている
●毎日の朝食は、必ず夫人が作ったカレーを食べる

日々のこだわりがハンパない彼は、常にスポーツ選手であることを意識していると言える。朝カレーもいいかもしれない。

山中教授

●市民ランナーとしても活躍している彼は、昼休みに鴨川をランニングするのが日課

これで研究への集中力を維持しているらしい。マラソンがIPS細胞を生んだのか!?

宮崎駿

●食事スタイルは何十年も変わらない「愛妻弁当」

アルミの弁当箱に、ぎゅうぎゅう詰めのごはんで、卵焼きやソーセージや揚げ物などが入ってたりする程度の「愛妻弁当」をずっと続けている。シンプルな生活の中にもこだわりが感じられる。「食事と健康」にも気をつかうところはプロなのであろう。

北野武

●トイレ掃除

師匠に「トイレを綺麗に掃除しろ」と言われて30年以上ずっとやり続けてきた。自分の家だけでなく、ロケ先や公園、ときには隣の家のトイレまで掃除している。「トイレ掃除をすれば金持ちになれる」的な本があるが、真実かどうかは分からない。しかし、人が嫌がる仕事を長年続けてこれるパワーは、やはりホンモノなのだろう。

石川遼

●洗面所の掃除

彼は、「人のためになることを自分のためと思う」と語っており、やり飽きることなく続けることで習慣力を養うのだという。また、「どんな大きなことも小さなことの積み重ねである」と言及し、目的意識を持ちながらコツコツやり続けた人が、結果的に一歩ずつ歩幅を広げることができるのだと説明している。

羽生善治

●知らない土地に地図を持たずに行く

意識的に羅針盤が利かない状態に自分を置くことで、勘を磨くトレーニングをしているのだと言う。何もないところから、新たなことを生み出すための、まさに“勝負師”の日課だ。

黒沢明

●爪を磨く

男性でも爪をキレイにすることで、小さいことでも気が付く能力が養われていたのだと推測できる。

手塚治虫

●映画を一日一本見る

日本一多忙な漫画家であった彼が、時間をさいてまで見ていた映画。手塚治虫の作品には、漫画のネタやアイディアにも映画の影響が垣間見える。どんなに忙しくとも、創造性を高める時間は人生には必要なのであろう。

まとめ

「日本が生んだ天才たち」の日課には、やはり非凡な才能が生まれた背景が感じられる。このことから考えられるのは、脳にリズムを作ることの重要性。目的を持った日課を、コツコツとやり続け習慣化することで、脳にリズムを作るのだ。一度作ったリズムは自分とシンクロして、脳だけではなく心身をベストな状態に持っていってくれる。そのリズムこそが創造性を高めるために、非常に大きな意味を持つ。偉人たちの何気ない日課というのが、いかに大切で夢を叶えるためには、必要不可欠な要素であることが理解できたのではないだろうか。是非とも天才たちを参考に、目的意識を持った日課を見つけてほしい。



トリアイナ
新着記事

連載

ランキング

  • It is up to oneself to make an uninteresting world interesting.