テレビCMから学ぶ TRIAINA的「リフレクティブ・フロー」
企業にとってテレビCMは、取り扱う商品や企業イメージを世に広め、販売を促進するための、最も効果のある宣伝方法である。わずか数十秒足らずの中で、伝えたい事を音楽と映像を駆使して表現する。
そんなテレビCMだが昨今では、我々の興味を引きつける、とても面白い内容のものが増加している。まるで短編映画を見ているようなストーリー構成をしているものも登場している。
なぜ最近では、ストレートな広告ではなく、ユーモアな広告が数多く用いられるのか。考えられるのは、ストレートな広告は今日では顧客に飽きられやすくなっているということだ。確かに少なからず、その傾向はあるだろうが、テレビCM自体を好んで見るという人は、それほど多くないはずである。
しかし、実際にユーモアなCMが消費者に受け入れられて、尚かつ製品やサービスの購買が増加しているのも事実。その理由として、ユーモア広告が主張する全体としてのメッセージが、ストーリー性を重視した「ユーモラスなインパクト」と製品やサービスの「ストレートな促進」といった常に二重の構造になっていることがあげられる。
こうして異なるメッセージが同時に与えられることで、受け手は一瞬だけ、ストレートな広告が主張する〝煩わしさ〟を忘れることができる。そしてユーモア広告によって一瞬の隙が作られ、そのことによって、「製品やサービスを購入して欲しい」というメッセージが受け手に届けられやすくなるのだ。
こういう二重の情報処理を同時に行うことによって、自分が製品やサービスを選んだことを自分自身で正当化するプロセスが循環的に形成されることの流れを「リフレクティブ・フロー」と呼ぶ。このことにおける最も重要なのは、提示側ではなく自分で選択基準を選んだということにある。
先述したのはテレビCMの話しだが、TRIAINA的「リフレクティブ・フロー」というものも考え得ると言えるだろう。夢を追うための道のりを、ただひたすらストレートに進むのは良いことだが、そこに「ライフスタイルの楽しさ」をプラスしてみてはどうだろうか。夢までの道のりは、決して平たんではないはず。時に辛く苦しく、挫折したい気持ちにもなる。しかし、自身のライフスタイルが日々、充実して喜び溢れるものであるのなら……夢への苦難な道のりがポジティブなものに変わるはずである。
「夢のゴールへと続く輝かしいけど、苦難な道のり」と「ライフスタイルに楽しみを発見する」という二重の構造を同時に情報処理することで、自分が選んだ夢を正当化するプロセスが循環的に形成される。そして「選んだ夢は決して間違いではなかった」という再帰的な情報が得られた結果〝肯定的な人生〟を送ることができるのだ。これこそが、TRIAINA的「リフレクティブ・フロー」なのである。
〝夢追人〟にとっては、「夢を叶える」という結果を得るためにも、まずは自分自身を見つめ直して、より良いライフスタイルを送り、「夢」と「ライフスタイル」の二重の構造を同時に情報処理することで、未来をその手に出来るのではないだろうか。
「FOREVER CHALLENGE」
そして、いつまでも挑戦し続けることが大切なのだ。
「リフレクティブ・フロー」の代表格とも言える、サントリー「ペプシNEX ZERO(ペプシネックスゼロ)」のCM。桃太郎の既成概念を打ち破る、映画さながらのド派手なシーンが話題に。
今後の展開が非常に楽しみなCMだ。
夢を追いかけるための「リフレクティブ・フロー」。あなたの挑戦を待つ。