お笑い芸人

鱒之介ますのすけ

インタビュー

個性活かしたトリオ漫才で
前人未到の頂点へ

鱒之介
2015 2/24 UP
photo:King Chang
interview:King Chang & Y-Jet & Crazy-J
text & edit:Y-Jet

【鱒之介・ますのすけ】
よしもとクリエイティブ・エージェンシー大阪所属。NSC大阪32期生のトリオ芸人。メンバーは左から、西村孝範(ボケ)、 梶川聖司(ツッコミ) 、上谷明慶(ボケ) 。高校時代の同級生であった3人が、卒業後それぞれ違う道を歩むものの、芸人という夢を叶えるべく再び集結。2010年4月にトリオが結成された。それぞれの個性を活かしたトリオ漫才で、夢の大舞台を目指す。


3人ともビジュアルがいいんで、女性のお客さんが多いんじゃないですか?

西村 う〜ん、どうでしょう。
 
上谷 僕、一番少ないですよ。女性のファンは。
 
西村 というか彼、舞台終わったらすぐ帰るんで…。恥ずかしがり屋なんです。女の子と何しゃべっていいか分からないみたいで(笑)。
 
梶川 逆にそれだけレアなんですよ。なかなか会えない「はぐれメタル」みたいな感じで(笑)。会えたときの嬉しさはハンパないみたいな。
 
西村 梶川が一番社交的ですね。僕らって、自分らで買ったチケットをさばいたりするんですけど、彼の売れ行きはダントツです。

日々のライフスタイルの中で「笑い」を生み出すために意識していることってありますか?

西村 今、シェアハウスで芸人仲間と一緒に住んでるんですけど、毎日誰かのところに芸人の先輩や後輩が来るんですね。そのときに、できるだけ交流を深めて色んな話をするようにしてます。いつでも「お笑い」から頭が離れないように心がけています。
 
梶川 僕はバイト先とか親戚とかに「舞台でめっちゃウケた」とか「今度の大会いけそうや」など、あえてハードルを上げることを言ったりしてます。いい結果を出すためには、自分を追い込んおく必要があるんですよ。言ったからには、絶対実現しなければいけませんから。 
 
上谷 僕は映画鑑賞したり、演劇を見に行ったりとかしてます。お笑いとは直接関係ないけど、そこから何か得れるものがあるんじゃないかって思うんですよ。僕ってけっこう、アーティスティックなとこあるじゃないですか?
 
一同 シーン…(苦笑)
 
ますのすけ上谷

挫折しそうになったことはありますか?

西村 ありますよ。実はNSC時代はけっこう成績良くて、卒業したら一気にいけるんじゃないかと思ってたんです。同期だけのルーキーズカップでも2位で、まあまあ好成績を残してたし、順調にいい感じで来てたつもりやったんです。周りからも「こいつらいけるんちゃうの」言われてたんですけど、ずっとそっから足踏み状態なんです。もう5年目なんですけど、ずっと同じところで居てるんです。劇場でもメンバーではあるんですけど、そっから上には進めない。もう一歩が踏み出せてないんです。歯痒さともどかしさで、めちゃめちゃへこみますね。
 
梶川 僕もそれはあります。どんだけ生活がきつくても、バイトがしんどくても、やっぱり目標があるから頑張れるわけであって、そこから進めないというのは一番くじけそうになりますね。

今後の目標は?

西村 やっぱり漫才の大会で優勝するっていうのが今の目標です。僕らが世間の人に知ってもらうには、まずは何かしらの大会に出て結果を残さないといけないので。皆に認知してもらえれば、劇場に足を運んでもらえるようにもなるんで、とりあえず関西の大会で決勝に進出したいです。それで優勝できたらいいですね。「M-1」も復活しますし。
 
梶川 僕もトリオ漫才で優勝したいですね。「THE MANZAI」とか「M-1」では、トリオで決勝に進んだっていう例はないんですよ。コントでは「キングオブコント」でロバートさんが優勝しましたけど、漫才の大会ではないんですよ。
 
西村 よく「トリオ漫才は前例がない。成功するのは無理だ」って言われるんです。昔は、漫画トリオさんとか、レツゴー三匹さんとか、トリオの正統漫才での成功例はあったんですよ。でも、近年の漫才においては確立されていない。だからこそ、“トリオ漫才”っていうジャンルを再び世に定着させたいですね。
 
梶川 トリオ漫才で準決勝進出っていう例はあるんですけど、その先には誰も到達してないんですよ。だからこそ、前人未到の頂点へ上り詰めたいです。
 
上谷 僕はテレビに出て漫才したいです。もちろんトリオで。たくさんの人に僕らの芸を見てもらって、一人でも多くの人が笑ってくれたら嬉しいです。
 

夢を叶えようと努力している人たちは、世界中にたくさんいると思いますが、そんな“夢追人”に向けて一言メッセージをお願いします。

西村 夢は高く持ってほしいです。僕は子どもの頃、ダウンタウンさんとかナイナイさん見て、すごく笑って、興奮して、夢をもらいました。今度は逆に、僕が子どもたちに夢を与える人になりたいって思います。すごく高い目標やけど、絶対叶えてやろうって思ってます。
 
梶川 続けることが大事ですね。夢を追う道中、嫌でも波は来ると思うんです。でも、やり続けてたら必ず見てくれてる人はいるということは忘れたらダメやと言いたいですね。
 
上谷 ステップが大切なんじゃないかな。いつまでも同じ所で足踏みしててもダメ。前に進めなくても、色んな方法を模索して、横にスライドしてでも進んで行くのが大事じゃないですかね。
 
梶川 お、ちゃんとまともなことも言えるんや(笑)。

最後の質問です。抽象的なんですけど、皆さんにとって“夢”って何ですか?

西村 恩返しだと思います。夢を追うことってやっぱり色んな人の理解や協力が必要なんですよね。好きなことやらしてもらってるわけですから。特に両親には迷惑かけてるんで。だから夢が叶った後には、そういう人たちに喜んでもらえるような、恩返しができたらって思います。そのために、今はがむしゃらに努力するしかないんですよね。
 
梶川 仲間と共に叶えるものですね。要するに一人で叶えるものではないってことです。一人では達成できない夢も、誰かに理解してもらって、協力してもらうことで、何十倍も確率は高くなると思うんです。やっぱり近くに相談できる相手がいるってのはいいですよ。僕らは高校時代からずっと一緒なんで、3人揃って叶えることができたら最高ですね。
 
上谷 僕の考える“夢”ってのは、いい死に方するためのプロセスですかね。
 
梶川 意味分からんわ!(笑)ってか死に方とか怖いわ!
 
上谷 夢を叶えるってことも、つまりは後悔しない生き方をするってことやと思うんです。死ぬ間際に、「あ〜いい人生やったな」って思えるように、できるだけ後悔しない生き方をしたいです。そのために、夢を実現することが僕の、僕ら3人の“最高の生き方”なんだって思いますよ。
 
西村 最後、ちゃんとオチついたやんか!(笑)
結局、僕らの考える夢ってものは、3人揃って実現させて、その先に見えるもんなんじゃないかな。まだ何が見えるのか分からないですけど、きっと最高の景色があるんでしょうね。そして、そこに一歩でも近づくために、僕らにしかできない、僕らだけの最高のトリオ漫才を追究していきたいと思っています。夢が叶ったその先もずっと…。
 
  3人それぞれの個性を活かした、最高のトリオ漫才をテレビで見れる日を楽しみにしています。様々な苦労もある中、3人揃って同じ目標に向かって進んで行く道筋は、きっと夢追う人たちの指針となっていくことと思います。お忙し中、長時間に渡るインタビューにお答えくださり、本当にありがとうございました。今後の活躍に期待しています。
 

鱒之介

Dream -1 Dream -2


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