キックボクサー

村井崇裕

国際マッチ直前インタビュー

地道な努力と感謝の想いが
夢へと繋がる強い気持ちに

村井崇裕
2015 5/8 UP
photo:King Chang
interview & text:King Chang
edit:Y-Jet

【むらいみつひろ】
1987年京都生まれ。日本キックボクシング連盟(NKB)ミドル級チャンピオン。京都野口キックボクシングジム所属。
一度は違う道を歩むものの、「キックボクシングでもっと上を目指したい」という夢を諦めきれず再びリングへ。過酷な練習を地道に繰り返し、2013年10月、NKBの第5代ミドル級王者の座についた。お世話になった人々への感謝の気持ちを常に忘れず、さらなる高見を目指し続けている。
▶︎村井崇裕 公式ブログ
▶︎京都野口キックボクシングジム


4月現在引き分けを挟んで11連勝というチャンピオンですが、普段はどのような練習をされているのですか?

 それぞれに合ったトレーニング方法があると思うんですけど、僕は同じことをひたすら続けるっていうのが大切だと考えています。サンドバックやパンチキックのミット練習、走りこみなど、同じことの繰り返しを地道にやり続けていますね。野球で言えば素振り1000回です(笑)。現代のトレーニング論で言えば間違いだらけかもしれませんが、自分には合ってると思うんです。それに頭を使った練習とかは苦手なんですよね(笑)。
 また、打撃って直感的な部分が多いと思うんです。当て感というか、体が勝手に動くというような感じかな。もちろんそれは練習で繰り返すことによって生まれる動きだと思うんですが、僕自身寝技とか組技になると、試合中とかでも頭で考えてしまう部分が結構あったんですよ。寝技や組技を極めた人なら、無意識にスルスルっと体が動くのでしょうけど、僕は頭で考えながらやってましたね。だから総合格闘技は全然伸びなかったのかもしれませんが…。
 練習で毎日同じことを繰り返しながら、その中で会長やトレーナーに1つ1つ細かい所まで指摘してもらって、少しずつレベルアップしてる感じですね。あと、試合後は特に意識して調整しています。結局、試合で出せたものが練習の成果なんで、試合後は勝敗に関わらず、会長やトレーナーに怒られながら、悪い部分や良い部分をアドバイスしてもらってます。
 
村井崇裕

精神面ではどういったことが大切だと考えていますか?

 何でもそうですけど、すぐに成果なんて出ないと思います。やっぱりどれだけ強い気持ちでやり続けられるかが重要なのではないでしょうか。同じことの繰り返しっていうのは、簡単そうに見えて以外と難しいんです。成果が出ないから新しいことにすぐ取り組むのではなくて、例えばストレートならストレート、ミドルキックならミドルキックにより磨きをかけ続けていれば、絶対成果が現れるのだと強い気持ちを持つことが大切なのではないでしょうか。
 それと僕は、会長やトレーナーの言うことを何より信頼してますね。正直、ちびるくらい厳しいですし怖いですけど(笑)。二人の言うことを信じて着いていけば、必ず結果は出ると思ってトレーニングを続けていましたね。

村井選手にとって、夢や目標を追う中で重要なのは何ですか?

もちろん毎日の積み重ねは重要ですが、僕が最も大切だと思うのは“人”だと思うんです。野口会長をはじめ、トレーナーや同門選手、後援会の皆さんや会員さんなど多くの方々のサポートが一番心強いですし、本当に感謝していますね。家族にもたくさん迷惑をかけていると思いますし、心からお礼を言いたいです。

さて、次の試合がいよいよ初の国際マッチとなります。意気込みをお願いします。

「ムエタイスーパーファイト」が5月10日、名古屋国際会議場イベントホールで開催されます。対戦相手は、ムエタイの本場タイの元チャンピオンです。正直むちゃくちゃ強いと思いますけど、だからこそ挑む価値はあります。それに自分には野口会長や多くの方々の応援がついているので、気持ちを強く持って、皆さんが盛り上がって喜んでいただけるような試合にしたいですね。
 
ホーストカップ

最後に村井選手にとって“夢”とは何ですか?

 今の夢というか目標は、他団体の同階級のチャンピオンを全員倒すことですね。日本のキックボクシング界って団体がたくさんあって、ルールもちょっとずつ違ってたりするんですよ。なので統一戦みたいな感じの大会で、同階級のチャンピオンと対戦して、日本で一番強いキックボクサーになることが夢です。
 あと、このサイトで執筆している僕のブログのプロフィールに「夢とは、より良い人生を送るためのモチベーション」と書いてあるんです。やはり夢や目標というのは全ての人にとって、必要不可欠なものだと思うんですよ。特に子どもたちには。僕がいい試合をして注目を集め、キックボクシングがメジャーなスポーツになることで、『チャンピオンみたいになりたい』という夢を持つ子どもたちが増えてくれたらいいですね。
 
 自分はキックボクシングを通じてたくさんの経験を積み、多くの人々と出会うことができました。まだまだ若輩者ですけど、良い人生だと思えるほど皆様の支えに感謝しています。やはり、夢や目標に向かって進む中で、人の支えというのは必要です。誰かに支えられているのだと気が付くことで、感謝の気持ちが生まれます。人生は「ありがとう」っていう気持ちが多いほど素晴らしいものになると思うんです。だから夢というものは、人生をより素晴らしいものにするために必要不可欠な“モチベーション”ではないでしょうか。
 
  結果が全ての厳しい世界の中で、2015年4月現在キックボクシングのチャンピオンとして活躍する村井崇裕選手。試合前の忙しい時期にインタビューにお答えいただき、心よりお礼申しあげます。日々のぶれない地道な練習への取り組みと、人々への感謝の気持ち…。これこそがチャンピオンの強さの秘密だと伺い知ることができました。今後の大いなる活躍を期待するとともに、当サイトでも全力で応援させていただきます。本当にありがとうございました。
 
キックボクシング
 
Wanchai + PK MuayThai Super Fight
2015年5月10日(日) 名古屋国際会議場イベントホール
 
第10試合 71kg契約 3分5R
○ジェンロップ・プンパンムアン(タイ/元ルンピニー&オームノーイ認定スーパーフェザー級王者)
×村井崇裕(京都野口ジム/NKBミドル級王者)
2R 1:36 KO (膝蹴り)
 
▶村井選手の試合後の声

Dream -1 Dream -2


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